Subject 1
ソフトロボット用人工ゲル皮膚と組織の開発(Artificial gel skin and tissue for soft robots)

ゲル材料の持っている生体組織と近い物性を活用し,ソフトロボット用人工ゲル皮膚と組織の開発を行う。ソフトロボットの用途や使用環境等に応じて,ゲル皮膚と組織の物性,例えば,柔軟さ,強度,表面粗さ,色等が調整できる。

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Subject 2
結晶網目カプセル(CMC)構造の制御による強靭かつ高透明化結晶性ゲルの開発(Toughening and transparentizing of crystalline gel by controling the structure of crystalline mesh capsule (CMC))

私たちは革新的ゲル新素材「結晶性ゲル(Crystalline gel)」の研究に取り込んでいる。結晶性ゲルとは、ゲルの三次元網目構造へ結晶構造を導入することにより合成する、高い結晶性を有するゲルである。広角X線回折(WAXS)の結果により、結晶性ゲルは結晶性を有することが示された(図1)。ゲルの三次元網目構造への結晶構造の導入により、新たなゲルの内部構造(結晶網目カプセル(Crystalline Mesh Capsule, CMC))が開発された(図2)。CMC構造は主鎖由来の網目(シェル)構造と側鎖由来の結晶(コア)構造から構成している。シェルが主に機械特性、コアが主に機能性を結晶性ゲルに付与する。ゲルの主鎖と側鎖を変えることで、CMCのシェルとコアが変えられる。結晶性ゲルにシェルのエントロピー弾性とコアの結晶を共存と競合させ、強靭かつ高透明化を実現する。
これらの強靭結晶性ゲルを微粒子化・ナノファイバー化・不織布化し、感温性収縮膜・微細孔フィルム等への応用にも挑戦しています。

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[1] Yuchen Mao, Jin Gong, Meifang Zhu, Hiroshi Ito, Polymer 2018, 150, 267-274.
DOI: org/10.1016/j.polymer.2018.07.040.

[2] Jin Gong, Eiichi Hosaka, Kohei Sakai, Hiroshi Ito, Yoshikazu Shibata, Kosei Sato, Dai Nakanishi, Shinichiro Ishihara and Kazuhiro Hamada, Polymers 2018, 10 (5), 486, 1-14.
DOI: 10.3390/polym10050486.


Subject 3
強靭かつ多機能性をもつ結晶性ゲルの3Dプリンティング(3D printing of crystalline gels with excellent mechanical properties and multiple functionality)

3Dプリンタ技術とは,デザインしたイメージどおりの立体物をつくる3D造形技術である。造形方式にはおもに粉末焼結,熱融解押出,光造形,インクジェット式などがある。3Dプリンタ技術によって,これまで形にする「加工プロセス」が困難だった「つくれないモノ」がつくれるようになった。現在3Dプリンタに使用されている材料は,おおざっぱに透明と不透明に分けられる。また,透明材料のほとんどは,PMMA,PC等の非晶性材料である。結晶性材料は結晶サイズ十分小さく制御できるかの問題で,透明に3Dプリンティングするのは難しい課題である。私たちが開発した結晶性ゲルは高い透明性,生体親和性と強度を併せ持っており,ゲルレンズや生体材料分野への応用が期待されている。本研究では,3Dプリンタ技術を活用し,薬品から直接個人ニーズに対応可能なレンズを作製するため,結晶性ゲルの透明3Dプリンティングテストを行う。

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[1] Yuchen Mao, Takuya Miyazaki, Kohei Sakai, Jin Gong*, Meifang Zhu*, Hiroshi Ito*, Polymers 2018, 前刷り http://www.preprints.org/manuscript/201809.0114/v1
[2] Takashi Hoshiba and Jin Gong, Microsystem Technologies 2017, 24(1), 613-617. DOI: 10.1007/s00542-017-3470-1.